世田谷文学館で10月10日から開催の「井上ひさし展—希望へ橋渡しする人」の広報物デザインを担当しています。
展示サブタイトルの「希望へ橋渡しする人」は、井上さんの最後の戯曲『組曲虐殺』から、小林多喜二の次のセリフに由来します。
「絶望するには、いい人が多すぎる。希望を持つには、悪いやつが多すぎる。(中略)絶望から希望へ橋渡しをする人がいないものだろうか……いや、いないことはない。」
作品を通してあらゆる問題を問い続けた井上さん。
井上さんが生きていたら、今の日本や世界の状況を見てなんて言うだろう、そんな声を今でもよく耳にします。
その答えのヒントが、もしかしたらこの展示にはたくさんあるかもしれません。
デザインは、原稿用紙のマスをピクセルに見立て、そこに井上さんの希望を感じさせる言葉を1万字、文学館のみなさんに協力いただきながら書き込み、肖像画をつくりました。
ふと目に留まった言葉が、今あなたに必要な言葉?みたいな感じで楽しんでもらえたらと思います。
自分は『円生と志ん生』からの言葉が、落語家の軽やかさを感じてなんか好きでした。
「この世が涙の谷なら、どうせ災難がつづけざまに襲いかかってくるんでしょう。それならその災難を、ステキだなと思って乗り越えちまうんですよ。」
いい言葉に出会えますように。展示は12/6(日)まで。